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黒バス脅迫事件に見る、悪魔の証明とエクソシストたち

      2017/04/11

【黒バス脅迫事件】実刑判決が下った渡邊被告のロジカルでドラマチックな『最終意見陳述』があまりにも切ない




透明人間の焼身自殺

……この文章は、先日新幹線内で起きた焼身自殺事件の時に考えたことである。

毎回この手の事件が起こると、マスコミがこぞって持ち上げ、それに伴って巻き起こるネットの世論に目を通すのであるが、そこで毎回感じる違和感がある。

……それは、『社会に存在しない人は透明である』ということだ。

誰もがみんな「集団社会における孤独」というようなテーマに対して、ああだこうだと論旨を繰り広げているが、何だか妙にポイントのズレた空回り感が否めない。

それはおそらく、俺も『あちら側』の人間だからだろう。……鏡一枚隔てて、自分を見ているようだと思ったことは何度もある。

以前、日々FBで発信しすぎる私に対して、親しい知人から「SNSやめたら?」という助言を貰ったことがあった。これは、確かにその通りだと思う所もあり、しばらく考えたのだが、それはすぐに危険だと思い直し、採用はしなかった。

インターネット透明人間

何故危険かと考えたかというと、それは私が「透明になってしまう」と思ったからである。

【1万人を超える巨大グループも!?】大人が知らない中高生のLINEグループの使い方を調査したら、闇が深かった。

しばらく前に、こんなニュースが流れてきたのを見て、私は戦慄した。それは「我々大人が知らない所で、若者たちだけの新しいコミュニティができており、それがレイヤーの違う我々には全く見えていなかったから」だ。

それほどまでに、人は何らかのコミュニティに属することを欲するのだろうか……?ということも。

世間の人々が上やTVやディスプレイの画面を見上げて「孤独な人を見過ごしてはいけない!」と声を上げているそのすぐ横で、その足元を「透明な人」は、ポリタンクを持って歩んでいる。そんな光景がすぐ目に浮かぶのだ。

「浮遊霊」や「透明な人」は、多くの人が見上げる画面の向こうにはおらず、実は彼らのすぐ側に存在しており、どこにでもいる。……だが、彼らとは次元やレイヤーが違う世界のため、何らかの結びつきがない状態では全く可視化されてこない。

限りなく透明に近い……

実は私もそちら側の、「限りなく透明に近い」側の人間である。……その色がブルーかどうかは分からないが。

例えネットを辞めてリアル世界での生活に力を入れた所で、おそらく現実世界での孤独感はより強くなるだけのことだろう。ただ、幸いながら私はそれまでの人生の中で、僅かながらも周囲との人間関係の中で「安心感」というものは手に入れることができた。それが、辛うじて私をこの世界に留まらせている、人としての形を保っているのだろう。

……だから、私は気が合う親しい人との関係性を大事にするし、人生を謳歌するにおいて、それ以外の多くはそれほど重要ではないのだろう……とも考えている。



人間社会における悪魔の証明

社会インフラが整備されて、大枠での社会生活は非常に便利になってきた。しかし、まだ問題点として挙げられているのが「ラストワンマイル」と呼ばれる、最後の一歩である。

おそらくこれは人間関係においても同様のことが言えて、とある人間という分子がブラックホール化して崩壊していくのを防ぐためには、身近な関係者による共有結合しかないのだろうと思う。

『存在しないものは証明することができない』……この悪魔の証明問題は、依然として人間社会の意識における課題として残っているのだろう。

……と、いつもならここで終わるところなのだが、今回はもう少し突っ込んで考えてみようと思う。

生霊を再び肉体に戻すには

では、こうした透明な悪魔のようになってしまった存在に対して「安心感」を与えるためにはどうしたらいいか。……それは、「悪魔を惹きつける罠を仕掛けること」だと考える。彼らは「浮遊霊」のように、誰とも繋がることができずに現世を彷徨う「生霊」だ。

生霊は生者を求めてネットを彷徨う。中にはそうした生霊を無理やり成仏させるゴーストバスターやエクソシストもいたり、逆に使役して金を稼ぐネクロマンサーのような輩もいたりするが、ほんの僅かながら、生霊から浮遊霊へと戻り、さらに現世の肉体へと魂を戻した人々もいるはずだ。

そうした人々が、生霊に対して何らかのメッセージや物語を残して欲しい。するとおそらく生霊たちは、ストーリーの疑似体験を通して共感する「安心感」を得ることができ、物理的だったり血縁関係を超越した、精神的な繋がりを獲得できるのではないだろうか……と。

もしかしたらそれが、これからの時代の新しい関係の形なのかもしれない。

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