Project SOLA

誰も理解できない道を進め。未来が君を信じてくれる。

35年ローンを選択しなかった男の話

      2017/04/11

イケハヤ氏の煽り芸も大分板についてきた。そしてそれに乗っかり、また反対して注目を浴びようとする人たちのポジショントークも。当初はそれらに嫌悪感を示していた私も、今では全然許容できるくらいには大人になったようであり、ここにまた話題に乗っかった文章を書いてしまおうと言うぐらいの自分もいる。

……これはそんな、35年ローンの住居を買うことを選択しなかった、ただの男の話だ。



空間を手に入れる才能

自然が好きで人混みが嫌いであれば、大体行き着く先は見えてくる。脱サラしてITサラリーマンを辞めて農業を始めようと思った時から、どうやらこの方向性は決まっていたようだ。

『自由な居住空間を手に入れる才能』

どうやら私にはそれがあるらしい。……未だに十分な経済力を手に入れる才能は芽生えていないのだが、空間と片付けに関しては、私の運と才能は他の人を凌駕していると言える気がしてきた。

10万坪の東京の山

最初に使用できるようになったのは、奥多摩の山だった。面白い地主さんが持て余していた東京の山奥の土地を、自由に使用していいと言ってくれたのだ。私と仲間たちはその壮大な話に舞い上がり、意気揚々と開拓を開始した。……この話は長くなるのでまたいずれにしよう。

古民家カフェ

同じ地主さんから、青梅の古民家カフェ兼小さな美術館を貸して頂いた。そこも非常に面白い所であり、私がアンティーク好きになったのもこの経験がきっかけだろう。珈琲やスイーツ、歴史や美術など、様々な新しい経験をさせて頂いた。

中古民家

中古、民家。である。間違えないように。上記の企画を始めた頃は、男四人で一軒家を借りてシェアハウスをしていたものだ。もう放置状態だったために、色々と手を加える部分も多かった。庭には小さな菜園もあり、隣には小川が流れていた。……そこに車を落下させた苦い経験さえ無ければ、なかなかいい場所だったと思う。

これらの空間は、チームの解散とともに手放された。同時に、経済力が重要であると気付いたきっかけでもある。一度は都市に吸い戻された私だが、また再び田舎へと引き寄せられることとなった。

更なる古民家

今度は11LDKのどストレート古民家だ。煤の黒塗りや、電気配線がむき出しになっている住居など初めて見た。隣の家まで徒歩10分。人間よりも動物との距離が近いような、山奥の一軒家だった。

大家族の家具もそのまま引き継いだために、最初の片付けは非常に大変だったが、知人に手伝ってもらい、家2〜3軒分ぐらいの木材は燃やしたと思う。

長野の現在の住居

それから少し紆余曲折あって、長野の今の家に住んでいる。脱サラしてからの9回に及ぶ引っ越しや、これらの人生の中で私が学んだのは、『家なんか別に買うものではない』ということだった。私が求める環境に行けば、そこには手に余る放置された住居がいくらでも転がっていることに気付いたのだ。少しの手間と根性さえあれば、そこを改装してそれなりに居心地の良い場所は作れるということを知ったのだった。

これからの住まいと暮らし方

先日、近くで開催された「小屋フェス」というイベントに参加してみても思ったが、もはや住まいは金を借りてまでも買うものではないと思った。……それを『資産』として捉えるのであればまた別だが。

そうした世界に興味がない人や、暮らす場所にこだわりがない人にとっては、月々4万円もあれば、ある程度自由にできる居住空間を手に入れることは可能だ。それこそ、モバイルハウスのような小屋程度でも十分なのではないかと思う。



農耕民族と遊牧民族

インターネットとクラウド化が急激に進歩してきて、農耕民族的な暮らししかできなかった我々は、ついに遊牧民族的な暮らしが可能となってきた。これまでは「シェア」という形で暮らす住居形態が流行していたが、それがさらに進化して、ネットワーク型の住居が出てくる予感がしている。……というか、私がそれを実現したいと思って活動しているところだ。

現在進行中の【農村JACK】という企画は、とりあえず長野拠点を中心に進めているが、並行して少しずつ進んでいる全国各地へのスケール展開が行われ始めると、これは一気に面白くなってくる。……我々のメンバーになれば、一気に全国数箇所に居住空間ができるからだ。

虹を渡る隊商

地道な活動の結果、ジャズピアニストやらデイトレーダーやらカイロプラクターやら16歳の陶芸家やら、そして私自身は農家だったりと、結構バラエティに溢れた人材が近くに集まってくるようになった。こうした人々とうまくパーティーを組むことができれば、集まったメンバーたちだけで面白いことができそうだ。この人たちをユニットとして、地域創生の委託を請け負うような事業をしても面白いかもしれない。……当然、住居は先方からの無償提供だ。

七色の特色を持った人たちと、世界各地を回りながら仕事をするような遊牧民。それを以前私は【虹を渡る隊商(レインボーキャラバン)】と名付けて夢想していたものだが、ここに来てちょっとずつそれが実現できそうな気がしてきた。

これは、人生の何処かで35年ローンを組んでマンションを買ってしまったら、おそらくたどり着けなかった人生だろう。……とても面白い時代になってきたものだ。

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