Project SOLA

誰も理解できない道を進め。未来が君を信じてくれる。

衰退トレンドの恐ろしさ

      2017/04/11

衰退トレンドというのは本当に恐ろしい。そのことを最近よく実感させられる。



経済の向かうベクトルが重要

最近の東南アジアの様子などを見ていても、例え経済の絶対値が同じだったとしても、それが上がってきているのか下がってきているのかで、その中身はかなり異なる……ということだ。いや、もっと言えば経済の絶対値は関係ないのかもしれない。それが景気というものだ。

様々な業界や分野を見ていると、どうやらこうした状況は農業界や食産業だけとは限らないということが分かってきた。最近の日本全体において、全てがシュリンクしているのが分かる。インターネットの登場による、インフラの転換。少子高齢化による消費額の低下。……そもそも、物質的な価値観の変化。これらにより、今まで何の問題もなく売り上げが上がっていた企業が落ちぶれていき、かと言ってそれに変わるベンチャーの数もまだまだ少ない。

こうした状況の中では、誰もが次第になりふり構わなくなっていく。都合の良い情報だけを流布して人々を操作し、力を持った者に擦り寄っていく。そして、多くの市民もその情報を鵜呑みにして、大きいものの膝元へと擦り寄っていく。……つまり、衰退トレンドでは「リソースの食い合いになっていく」のだ。

これを生態経済学的に考察してみよう。

生態経済学的衰退トレンドの考察

いつも分かりやすく例えているのは、ナスの栽培だ。夏も終わりに近づき、生長が鈍くなってくるナスに何が起こるかというと、まずは「リソースの奪い合い」が始まる。根が弱り、養分の吸収も鈍くなってきた中で、限られたリソースをそれぞれの部位が奪い合うようになっていく。

そして、その競争に勝ち残った一部の実だけが、さらに「リソースを集めていく」。そうして優秀な子孫だけを残そうとするのだ。……これは要するに、自然界における「より浸透圧が高まる」という現象と同じと思われる。高糖度になるのと同様の現象だ。

もし経済が上り調子だったならば、この辺りの現象は緩和されることだろう。根の伸長に合わせて、どんどんリソースは供給されるからだ。しかし、衰退トレンドとなった場合にはかなり厳しい変化が起きる。……世代別の人口分布のグラフを見てもらうといい。この逆三角形になったグラフが、正に根が弱っているにもかかわらず、地上部だけが大きくなった健康的でない植物の形そのものを表しているのだ。逆に、アジア地域の三角形の形を思い出してもらうと、どれだけその成長性があるのかということが容易に想像できるだろう。

衰退トレンドを回避する方法

さて、そんな非常に厳しい衰退トレンドの状況なのであるが、それを回避する方法についても検討しておこう。

まず一つ目は、『一点で突き抜けること』だ。リソースは限られている。なので、その限られたリソースをある一点に集中し、衰退していくトレンドのスパイラルから一歩飛び出るのだ。……まるで、春先に急激に生長するシュートの枝のように。

もう一つは、『たくさん種を巻くこと』だ。果たして次世代にどんな芽が出てくるのかは分からない。環境の変化によってどの種が生き残るかというのは変わってくるからだ。なので、できるだけたくさんの種類の種を蒔くことにより、例え一部だけでも、生存する確率を高める。

最後にもう一つ、『大事に育てて育苗すること』だ。個人的には気が乗らない方法なので自分は採用することは無さそうだが、最近のあまりの衰退トレンドの恐ろしさを知るに従って、このパターンもアリではないか?と思うようになった。特に、一部の成功した人たちに群がる人の多さと言ったら!

……こうした群衆の中では、あっという間に希少なリソースが害虫のような人たちに食い荒らされてしまう。それを防ぐためにも、ある程度生長するまでは、周囲から守ってあげることも時には必要なのかもしれない……と思うのだった。

とにかく、衰退トレンドで起こる『蜘蛛の糸現象』は予想以上に恐ろしい。何とか食い殺されないように気をつけたいものである。

 - 予測, 生態経済学 , , , ,