大企業がベンチャーを潰す

アベノミクスが大企業優遇政策を行っていると、政策を批判した記事がネット上に出るようになった。そして、それを分かりやすく図解したものとして、ワイングラスを重ねたシャンパンタワーの図をよく見かけた。



大企業優遇の弊害

こちら(http://www.fastpic.jp/images.php?file=1938114144.png)がその図であるが、一応説明しておくと、大企業に落とした税金が、大企業のみを太らせることになり、その下にある庶民まで届いていない……ということだ。
私は政治には詳しくないので、その正誤や詳細な中身までは分からないが、現場にいて実感したことをここに書き留めておこうと思う。

まず、政府がどこに税金を使うのが良いかと聞かれたら、そりゃあ個人個人に渡して家計の足しにされるよりも、多くの雇用を生んで、さらに伸びしろを持っている大企業につぎ込んだほうが良いとは思う。
理屈では正しいし、一見理に適っているような気もする。しかし、この方法には現場とのギャップが結構あるということが失念されている。
というのも、実際に現場でその「大企業」の社員の方たちと接していると、その価値観の違いに驚かされるからだ。

まず、そうした企業の社員の方々は、壮年以降であることが多い。PCは仕事上で普通に使えるが、スマホを使いこなす所まではまだ行けてない……といった感じだ。
こうした方々というのは、バブル期を経験していることも多く、バブルがはじけた後もITバブルやなんやかやで、結局それなりにまあまあの生活をしてこれた人々だ。
そして、そうした人々はその時代に合った生活設計をしており、まあ具体的に言えば住宅ローンを組んでいたり、子供を大学に行かせるための学費をせっせと稼いでいたりする。

イノベーションとは価値観を変えること

つまり……「価値観が変わっていない」のだ。
なので、アベノミクス効果でそれなりに所得が増えたとする。すると彼らは、「生活を元のレベルまで戻そうとする」のだ。昔に比べて、収入が減ってしまった。なので、収入がちょっとは元に戻った。よしよし。……という具合なのである。
そこに、「これからの時代に合わせてライフスタイルを変えよう」という意識は無いし、かと言って「バンバン欲しいものを買って、経済を回そう!」……という意識もない。おそらく多くの人間が、「何かあった時のために、日々の生活を質素にして貯蓄に回そう……」という感覚なのが丸わかりなのだ。

それでいて、必死に仕事を頑張るわけでもなく、「適当にこなしながら、余生を細々と過ごせればいいや……」というくらいの人が多いはずだ。……統計を取ったわけではないが、多分その傾向が強いことは何となく分かる。……これが、アベノミクスの葡萄酒が、下まで流れてこない理由だ。

中には流れてきた葡萄酒を推進剤として、新たに投資へ回す所も出てきたが、いかんせんやはり、それらの舵を取っているのが旧世代だという所が辛い。彼らが理解できない、若者ウケする革新的な技術へ注ぎ込まれる資金が少ない。ただでさえ、世界に比較して日本の投資金額は少ない傾向があるというのに……。



ベンチャー投資がオススメ

断然私がオススメしたいのは、やはりベンチャー投資だ。
新しい感覚を持った新世代が作るプロダクトやサービスは、確実に次世代を捉えていく。そのための起爆剤となるエネルギーをどんどん投入するべきだと思うのだ。
もはや、大企業と言えども世代交代が待っている時代になってきた。本当に強い経営体ならば、援助なしでもやっていけるはずであり、そうでないならば廃れるべきである。
ベンチャー支援を行うことで、社会の新陳代謝を促進することが、最も有効な政策となるのではないかと考えている。

もちろんそれは、補助金のような形ではなく、融資や投資のような形が望ましい。だが、税金を使うのであれば、何もしないくらいでいい。でも、使わなければならないのであれば、それはリスクを背負ったベンチャー向けに使って欲しいと思う。
例え直接的に失敗に陥ったとしても、それはきっと未来に対して有効なリターンとなって返ってくるはずだから。

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